誤発報はつねに起こりうる

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飛んできたボールでガラスが割れて、センサーが発報するというのは、ひじょうにわかりやすい誤発報の例です。しかし、実際はもっと日常的で些細なことが誤発報、誤作動につながるケースがほとんどです。たとえば、屋内用の「パッシンブセンサー」はわずかな温度変化を敏感に察知します。本来は、侵入者が通ったときに感知して、発報することを意図したものですが、猫や犬などのペット、条件によってはネズミやゴキブリなどごく小さな生き物の動きに反応してしまうことがあるのです。さらに、場合によってはファクス紙の排出やカーテンの動きによる温度変化もキャッチします。屋外用の赤外線遮断センサーなどは、カラスや小鳥などの小動物、落ち葉などでも発報します。マグネットスイッチや振動センサーは、ドアや窓に取り付け、ドアの開閉や振動に反応して発報するものです。セキュリティに関わる警備員の話では、風の強い日、台風の日などは誤発報がふだんの倍はあるといいます。風や雨による振動を侵入によるものと機械が勘ちがいしてしまうのです。さらに、外を大型トラックが通ったとき、あるいは地震のときに作動することもあります。また、建て付けの悪いドアやガタついた窓、シャッターなども誤作動、誤発報が多くなる原因となります。これらのセンサーはかなり高度や感知技術をもちいたものですが、確実に人間とほかのものを区別して感知する。”究極のセンサー”は、いまだに存在していないのです。熱や蒸気に反応する火災報知器は、料理をしたときに発生する大量の蒸気や、揚げ物をした際に生じる油の蒸気などに反応することもあります。いざ駆けつけてみたら、風で揺れただけだった、ペットが通っただけだったというのなら、出動はむだに終わったものの、おおごとにならなくてよかったと考えることもできます。しかし、あまりに誤発報が連続するようだと、警備会社の設計のミスであるとも考えられます。もう一度、取り付け設計を検討してもらうか、警備会社を変えるかしたほうがよさそうです。こうしたことからも、じっくりと調査してから取り付け場所を決める業者を選ぶことが重要になってきます。誤報の多さは、警備会社はもちろん、警察にとっても大きな負担となっています。今後、この誤報を少なくする機器やシステムを開発することが警備会社の課題であり、任務であるともいえるでしょう。