警備員はどこまで頼りになるのか

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100件に10件以下の割合でしか真報がないにしても、その10件の侵入犯をちゃんと取り押さえてくれれば、あるいは追っ払ってくれればいいじゃないかということもできます。ところが、その10件のうち、実際に検挙につながるのは意外に少なく、一件あるかないか、なのです。つまり、100件の発報で検挙になるのはわずか1件という割合です。警備会社の運営は、警備業法という法律にのっとっておこなわれます。警備業法では発報があった場合、警備員は25分以内に現場に駆けつけることが義務づけられています。警備会社によるホームセキュリティシステムでは、発報から10~20分程度で現場に駆けつけられるように体制を整えています。空き巣の侵入から脱出までの所要時間は、平均5~10分です。10件の真報のうち、一件程度しか検挙につながらないのは、”間に合わない”ケースが多いということなのです。このため都心部の警備会社では、さらに早く現場に到着できるように、待機所の網の目を小さくする努力が続けられています。現場に駆けつけた警備員は、異常がないかどうか確認をします。警備員は警察官ではありませんが、犯罪に対する専門的な指導教育を受けています。そして、警備員には現場維持が義務づけられています。もし、空き巣が家内に残っていて、身の危険があるときには踏み込みません。では、警備員が何をするのかといえば、まず、外回りや家の様子、クルマや人影の有無を調べます。目で見て侵入があったか否かを確認し、管制室へ通報します。侵入者が内部にいて危険な場合は、外で監視を続けます。たまたま侵入犯と対面しても、拳銃やナイフを持っている可能性もありますから、取り押さえることはできません。対面したら、侵入犯に向かって「カラーボール」を投げつけるなどします。カラーボールは塗料が入っており、割れると、洗っても落ちない塗料が皮膚や衣類などに付着します。ホームセキュリティシステムは、ときには警察も関わってきます。警備業法では、警備員が現場に出動して真報であるなどの事件性を認めたら、ただちに110番通報することが義務づけられています。しかし、警備員が駆けつけるのにすでに10~20分。そこから警察が駆けつけるのに、さらに時間がかかっているようでは、侵入からかなり時間が経過していることになります。それではあまりに追跡が後手になってしまうということで、警察の所轄によっては発報と同時に110番通報をするよう義務づけて、警備員と同時に警察官が駆けつけられるように指導しているところもあります。警察がやってきてはじめて、警察の指示のもとに警備員は家の中に入ります。まず、警察官が先に入って空き巣がいるかどうかを確認します。いえば逮捕につながりますが、いなければ警備員を呼んで、センサーのありかや発報の原因などを確かめることになります。